最短で偏差値30から60になる英文法講座③時制前編
2022.1.12
連載「最短で偏差値30から60になる英文法講座」第3回です。本講座では、3つの単元を扱います。
- 後置修飾
- 時制(完了形、仮定法、過去形、現在形、未来形)
- 同じ形の反復
本記事では、②時制の中から現在完了とbe to 不定詞について解説します。
「完了形がよくわからない」
「いっぱい意味がありすぎて、なかなか覚えられない!」
という人は多いのではないでしょうか。完了形とbe to 不定詞は意味が複数あるので、なかなか覚えられませんよね。本記事では、苦手意識を取り去って、一気に理解できる方法をお伝えします。
完了形のポイントを押さえよう
まず覚えてほしいのが「完了形は線の時制、それ以外は点の時制」ということ。
そもそも、完了形には4つの意味があります。
- 経験「ずっと〜だ」
- 継続「〜したことがある」
- 完了「〜し終わった」
- 結果「〜した結果」
意味が4つもあって、使いこなすのが難しそうですよね。実は、この4つの意味をわざわざ覚える必要はないのです。「完了形は線の時制」が最大のポイントなので、これさえ理解しておけば問題ありません。
では、「線の時制」「点の時制」とはどういうことでしょうか。詳しく解説します。
完了形は線の時制、それ以外は点の時制
過去形、現在形、未来形はすべて「点の時制」です。
たとえば、「10年前私はアメリカにいた」という文から、「今もアメリカにいるかどうか」は分からないですよね。また「10年前からどのくらいの期間までいたのか」も分かりません。10年前という、過去の一点の情報しかない。これが「過去形は点の時制」ということです。
少し文章を変化させて、「私は10年前からずっとアメリカにいる」という文にすると、時制はどうなるでしょうか?
過去から現在までの期間ずっとアメリカにいたので、過去という点から現在という点まで、線が伸びているイメージです。この「過去から現在までずっといるよ」という線の時制が完了形です。
例文で理解を深めていきましょう。
I have been busy since morning.
私は朝からずっと忙しい。
この例文は「I am busy and I was busy morning.」と同じ意味です。「I am busy」は現在の一点、「I was busy」は過去の一点を表しますよね。この現在の点と過去の点をつなぐと、過去(morning)から現在まで線がつながります。線の時制は完了形なので、「I have been busy since morning.」という現在完了の文章になるのです。
4つの訳し方を覚えるより、ひとつの例文を暗記しよう
「I have been busy since morning.」は完了形の4つの訳し方でいうと、①継続が当てはまります。「ずっと忙しい状態を継続してい」という意味ですね。また、「私はもう朝からずっと忙しい経験をしています」のように、②経験としても訳せます。
このように、いろいろな訳し方で説明できますが、まずは例文「I have been busy since morning.(私は朝からずっと忙しい。)」だけをしっかり頭に入れてください。あれもこれも覚えようとするのではなく、大切なポイントだけ押さえましょう。今日いちばん伝えたいのは完了形は線の時制ということなんです。
完了形の考え方まとめ
過去から現在までをつなぐ線が現在完了形です。では、未来完了形はいつといつをつなぐ線でしょう?
もう簡単に理解できそうですよね。「これからずっと勉強していきます」のような、現在から未来までをつなぐ線を未来完了形といいます。完了形は線で示すことを頭に入れてください。
be to 不定詞のポイントを押さえよう
be to 不定詞も覚えにくい単元ですよね。というのも、be to不定詞にも5つの意味があるんです。
- 予定「〜する予定だ」
- 義務「〜すべきだ」
- 可能「〜できる」
- 運命「〜する運命である」
- 意図「〜するつもりだ」
正直、5つも覚えられませんよね。be to 不定詞も完了形と同様に、例文と訳をひとつだけを覚えてしまえば非常に分かりやすいです。
be to 不定詞は「これから〜する」という未来の文
be to 不定詞は未来のことを表す文です。be to 不定詞で覚える訳はただ一つ、「これから〜する」だけです。
例文を読んでいきましょう。
If you are to succeed, study well by the best-way.
もしあなたが成功するつもりなら、一番いい方法でよく勉強しなさい。
「are to succeed」でbe to 不定詞の形ですね。「これから〜する」という訳し方に当てはまります。5つの意味でそれぞれ訳してみましょう。
- 予定「もしあなたが成功する予定ならば」
- 義務「もしあなたが成功するべきならば」
- 可能「もしあなたが成功できるならば」
- 運命「あなたが成功する運命にあるならば」
- 意図「あなたがこれから成功するつもりなら」
少し不自然な訳もありますが、意味は通じますよね。つまり、どの訳に当てはめるかいちいち考えるより、「これから〜する」だけを覚えておけばよいのです。
補足的に説明すると、to不定詞は未来志向の言葉です。反対に、動名詞などのing形には過去的な意味があります。
be to不定詞のポイント
- to不定詞には未来の意味が含まれる
- be to 不定詞は「これから〜〜する」と訳す
この2つのポイントを押さえておけば、文法問題・英文読解でも対処できます。
完了形とbe to 不定詞は最低限のポイントだけ押さえよう
本記事では時制のうち、完了形とbe to 不定詞を解説しました。
- 完了形は線の時制、それ以外は点の時制
- to 不定詞は未来の意味が含まれる
この大きなポイントを押さえれば、あとはそれぞれ例文と訳を1文暗記するだけで、だいたいの意味はつかむことができますよ。
次回は時制の中の仮定法を解説します。時制までマスターすれば、英文法はいいところまで理解できているはず。もしまだ前回の後置修飾を読んでいない人がいたら第1回、第2回を先にお読みくださいね。後置修飾は英文法の80%を占めるので、押さえておけば英文読解でも困りません。
本記事も最後までお読みくださり、ありがとうございました。次の講座もお楽しみに。